ボンディング・
ラミネート加工とは
布帛、フィルムなど2種類以上の素材を、特殊技術を用いた片面接着または両面接着で貼り合わせ、単体では担うことができない新たな機能や価値を付与する加工。
従来のボンディング加工では難しかった繊細な素材にもご使用いただけます。
熱可塑性シートタイプとグルータイプの2種類から、お客様に合った工法をご提案します。
- 熱可塑性シートタイプは「Fusec(フューゼック)」を使用し、フラットベッドタイプでラミネートする加工
- グルータイプはホットメルト接着剤を使用しラミネートする加工


当社オリジナルの熱可塑性接着シート

「Fusec(フューゼック)」について
「Fusec(フューゼック)」は、熱可塑性接着樹脂をシート化した東海サーモの製品。基材の間にウェブ・ネット・フィルム状のものを挟み込み、適切な温度・プレス・時間を加えることで接着が完了します。初期接着性と汎用性、経済性に優れ、かつ無溶剤型であるため、換気の必要がありません。人と地球にやさしい接着シートです。
製品のポイント
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01環境に優しい
無溶剤タイプの接着剤で、
換気の必要がありません。 -
02加熱・加圧で接着
適正な温度・プレス・時間を
加えれば接着が完了します。 -
03通気性がある
網目構造のネット・ウェブシリーズ
なら通気性抜群です。 -
04幅広い素材に対応
衣料、建材、電子機器をはじめ、
幅広くご提案が可能です。 -
05経済的
目付けは8~120g/㎡に対応。
接着剤ロスがありません。
3つの形状
WEB(ウェブ)

特異なメルトブローン方式の採用により、繊維が細く、樹脂ムラの少ない商品です。平均的な接着強力を望めます。
NET(ネット)

ネット状にすることで通気性を持たせました。お客様のご要望や素材特性に合わせた最適なネット形状をご提案します。
FILM(フィルム)

生地同士の密着性を高め、優れた接着強力を実現。作業効率を考慮し、スリット入りのフィルムもご用意しています。
※その他、ドット状・剥離紙付きもご用意しています。
加工例
アパレル
椅子
電気・電子
バッグ
美容・健康
加工サンプル

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織物・編物・不織布・フォーム
靴材やインテリアなど、多岐にわたりウレタンフォームの貼り合せの依頼があります。当社では、Fusecを使用してラミネート加工を行っており、人にも環境にも優しくVOC発生をさせません。

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本革
皮革の裏側にクッション性を付与するためにウレタンフォームを貼り付けております。比較的熱に弱い本革は、加工が難しいですが、Fusecをご使用頂き接着されております。

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生産材の片面に接着性を持たせる場合の方法のひとつとして、「Fusec」を連続的にラミネートする加工(当社ではプレラミ加工と呼んでいます)を行っております。お客様にて必要なパーツに裁断後、加熱によって接着していただきます。

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厚みのあるウレタンフォームへ「Fusec」をプレラミ加工(ウレタンフォームの片面に接着剤をラミネートする加工)を行うことで、お客様でパーツに裁断後、クッション性が必要な個所へ加熱によって接着していただけます。

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ネット状の「Fusec」をプレラミ加工(生地の片面に接着剤をラミネートする加工)を行うことで、お客様でパーツに裁断後、加熱して接着していただけます。通気性が必要な個所へ使用実績があります。

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織物・編物・不織布・フォーム
サポーター(肘・膝)用品、コルセット用品には、2wayの布帛とクッション性を付与するウレタンフォームが貼り付けてあります。すべて素材が人体の動きに合わせ追従する必要があり特に追従性の高いウレタン系「Fusec」をご使用頂き接着されております。

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ウレタンフォーム
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織物・編物・不織布・フォーム
生地と生地の間にクッション性のあるウレタンフォームを貼り合せるとき、接着剤を合わせると5層構造になるため加工が難しいですが、「Fusec」と東海サーモの加工技術を合わせることで実現可能になります。

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織物・編物・不織布・フォーム
雑貨用品として、異素材であるコルクと生地の貼り合せにFusecが使用されています。

対応素材一覧
※上記品番の他、ご要求性能に合わせたシート、バリアフィルム、及び複合シート(バリアフィルム+接着ウェブ等)がございます。
技術資料
通気性
目付けと接着強度
VOC試験結果
試験の対象 | 品番 | |||
---|---|---|---|---|
1G8-D20 [μg/(unit・h)] |
UT8-D20 [μg/(unit・h)] |
998-D20 [μg/(unit・h)] |
厚生労働省 [μg/m3] |
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ホルムアルデヒド | 0.05未満 | 1未満 | 1未満 | 100 |
アセトアルデヒド | 0.05未満 | 0.05未満 | 0.05未満 | 48 |
トルエン | 0.05未満 | 0.05未満 | 0.05未満 | 260 |
キシレン | 0.05未満 | 0.05未満 | 0.05未満 | 870 |
p-ジクロロベンゼン | 0.05未満 | 0.05未満 | 0.05未満 | 240 |
エチルベンゼン | 0.05未満 | 0.05未満 | 0.05未満 | 3800 |
スチレン | 0.05未満 | 0.05未満 | 0.05未満 | 220 |
テトラデカン | 0.05未満 | 1未満 | 0.05未満 | 330 |
ノナナール | 0.05未満 | 0.05未満 | 0.05未満 | |
TVOC | 16.0 | 28.0 | 7.0 | 400 |
定量下限値 0.05μg/(unit・h)
接着技術Q&A
環境
- 溶剤系の接着剤を使用していますが、健康やVOCへの観点から無溶剤系に変更したいと考えています。
- 当社では熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」を使用してラミネート加工を行っております。これは人にも環境にも優しく、VOCを発生しません。また、「Fusec(フューゼック)」単体の販売も行っております。
- 熱可塑性シートはコストが高い印象があります。
- 熱可塑性シートはコストが高い印象がありますが、安全性、環境性、取扱い性などに優れており、トータルコストの観点から、今後より多く熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」が使用されると想定しております。
- 環境に配慮した接着剤を探しているのですが、熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」はエコテックススタンダード基準対応品でしょうか?
- 熱可塑性シート「Fusec(フューゼック)」のうち、ポリアミド系、ポリオレフィン系は「エコテックススタンダード100 クラスⅠ」を取得しています。
接着性
- 貼り合わせ後も、元のストレッチ性を維持したいのですが、可能でしょうか。
- 熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」でストレッチ性のあるPU系のウェブ・ネットタイプをご利用ください。
グル―タイプのドット加工でラミネートしますと、ラミネート後も通気性、ストレッチ性を持たせることが可能です。ドット数(1平方インチにあるドットの数)はラミネート布帛の厚み、重さや必要とする接着強力、風合い、通気性、ストレッチ性によりセレクトされます。 - 現在、ベタ塗りでPUフォームと接着をしていますが、風合いがかたく、反発性も悪いことに悩んでいます。
- 風合が硬くなり反発性が悪くなる要因として、ウレタンフォームの気泡のなかに接着剤が浸透して固化することが考えられます。これの対策として、熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」の高粘度品」を使用して、表面に接着させ風合いをソフトにする方法があります。
- 接着温度を色々変更して使用するケースがあるのですが、それに対応でき、接着強力が得られる接着剤はありますか。
- 熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」の接着温度は、融点と溶融粘度により設定されます。高温での接着が必要な場合は高融点のもの、低温での接着が必要な場合は低融点のものをご使用いただけます。接着する時間(秒)にもよりますが、一般的に接着温度から20~30度低い融点のものを選定します。その他の要求特性(耐候性、耐熱性、加水分解性、耐薬品性など)については、ポリマーの組成によるところが大きいため、その都度ご相談ください。
- 接着後も素材に通気性を持たせたいのですが、可能でしょうか。
- 当社のオリジナル熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」には、ウェブ状とネット状の商品があり、それらをご使用いただければ、接着後も素材に通気性を持たせることが可能です。例えば、FUSEC「1G8-D20」単体の通気性(JIS.L1096A法)は400cm3/cm2・S以上あります。E/Cブロードに貼り合せたとき、E/Cブロード単体の通気性が35.1cm3/cm2・Sに対し、「1G8-D20」貼り合せは22.8cm3/cm2・S(対比64.9%)です。
グル―タイプのドット加工でラミネートしますと、ラミネート後も通気性、ストレッチ性を持たせることが可能です。ドット数(1平方インチにあるドットの数)はラミネート布帛の厚み、重さや必要とする接着強力、風合い、通気性、ストレッチ性によりセレクトされます。 - 金属(AL・スチールなど)やゴム(EPDMなど)でも接着性は出せますか。
- 例えば、金属(アルミニウム・スチール)には熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」のポリアミド系「178」「1G8」などを、ゴム(EPDM)は、ポリオレフィン(EVA)系「3X9」などをお勧めしております。商品は限られますが、これまでの知見を生かして接着性の良い物をご提案することが可能です。
- 可塑剤を使用した材料(塩ビコーティングしたもの)に接着した時、剥がれてしまった経緯がありますが、可塑剤耐久性のある接着剤はありますか。
- 可塑剤を使用した材料は、可塑剤が接着剤に影響を及ぼし経年劣化が発生することが報告されています。これに対応するためには、可塑剤に影響されない、いわゆる可塑剤耐久性に優れた商品を使用する必要があります。当社は熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」ポリエステル系「998」などの可塑剤耐久性に優れた商品を持ち合わせており、お気軽にご相談ください。
- 異素材同士の接着が可能とありますが、例えば通常では接着が難しいどのような素材の組み合わせが可能ですか?
- 例えば、プラスチック(PU、ABS)と生地の貼り合せには熱可塑性シート「Fusec(フューゼック)」のポリアミド系「178」で接着が可能です。
フォーム(PU、ポリエチレン、合成ゴム)と生地の貼り合せには「Fusec(フューゼック)」のポリオレフィン系の「3L9」「3T9」「3X9」で接着が可能です。
商品は限られますが、これまでの知見を生かして異素材同士の接着性の良い物をご提案することが可能ですので、その都度ご相談ください。
用途
- 車輌自動車の内装材用に使用できる接着剤はありますか。
- 熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」は自動車の内装材(天井、マット、ルーフ、シート、ヘッドレスト、アームレスト、コンソールボックス、ドアパネル、ABCピラーなど)に採用実績を有しています。
自動車の内装材用にグル―タイプでポリウレタン接着剤を使用し積層ラミネートした遮光材の採用実績があります。自動車内装材については各種要求性能があり、都度相談させていただければと思います。 - 材料の片面に接着性を持たせたいと思っていますが、可能でしょうか。
- 熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」の離型紙付きをご用意しています。熱処理すると、材料に熱可塑性接着シートを転写することができます。
(1)最終製品に対して製品の一部に接着性を持たせる方法の1つとして、離型紙付きの熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」を使用して、加熱によりホットメルトシートを転写させることができます。
(2)生産材の片面に接着性を持たせる場合の方法の1つとして、熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」を連続的に片面にラミネートすることができます。当社ではプレラミと呼んでおり、受注加工が可能です。 - 透湿性のあるフィルムを貼り合せることはできますか。
- グル―タイプのホットメルト系接着剤を用い、貼り合せることができます。これにより透湿性能を維持しつつソフトな風合いを得ることができます。透湿フィルムについては、日本及び海外から調達することが可能です。
- サポーター用品、コルセット用に使用する接着剤はありますか?
- 熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」はサポーター用品の2way布帛や圧縮ウレタンなどの素材の貼り合せに採用実績を有しています。生地に追従性のあるポリウレタン系「UT1」「UT8」がおすすめです。
- 衣料用途に使用できる接着剤はありますか?
- 熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」のスリットタイプは生地の仮接着用ホットメルトシートとしてご使用できます。
- 靴のインソール用に使用する接着剤はありますか?
- 熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」は、靴のインソールに使用されるフォームや布帛などの素材の貼り合せに採用実績を有しています。特にPEフォーム素材にはポリオレフィン系(EVA)「3X9」がおすすめです。
- 熱可塑性接着(ホットメルト)シートは他社でも販売されていますが、Fusec(フューゼック)の優位性ポイントはどのようなところですか?
- 熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」は、多種多様な素材(ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系)に加え、用途に合わせ、接着剤の形状(ウェブ、ネット、フィルム)をお選びいただけます。
- 鞄に使用できる接着剤はありますか?
- 熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」は、鞄に使用される材料に合わせ様々な品番で実績があります。例えば、生地同士のボンディングはポリアミド系「199」、皮革はポリアミド系「178」、PVCは可塑剤耐久性のあるポリエステル系「9D8」などがおすすめです。
- 御社の熱可塑性接着シートを使用するにあたり、プレス機の購入を検討しております。おすすめの機種を教えて頂きたいです。
- 当社ではプレス機の販売は行っておりません。お客様がご使用になる素材の形状(ロールやピース等)、幅、温度帯、圧力などから、それぞれに適切なプレス機がありますので、直接プレス機メーカーへご相談ください。参考までにプレス機メーカーは、「アサヒ繊維機械工業株式会社」様、「株式会社ハシマ」様などがございます。
- 熱可塑性接着シートの接着剤種類はどのようなものがありますか?
- 熱可塑性接着シート「Fusec(フューゼック)」は、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系があります。詳しくはパンフレットをご確認ください。
- 御社の熱可塑性接着シートを在庫保管するにあたり、保管条件・注意点など教えて頂けますか?
- 1.直射日光が当たる場所を避けて保管してください。
2.高温多湿な場所を避けて保管してください。
3.熱源、発火源が無い場所に保管してください。