新しい生活様式に適したファッションアイテムの需要増加や、環境への配慮などにより、
家庭洗濯対応など「水洗いが可能な芯地」への要望が急増しています。
「水洗い製品に使用する芯地の注意点と選び方」について、1回目は「水洗いに適した芯地素材」についてお話しましたが、
2回目の今回は「水洗い対応接着芯と接着試験」について解説してまいります。
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目次 |
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1.水洗いに適した接着芯地選びと接着試験
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一言で「水洗い」と言っても様々なレベルがあり、作業服のように毎日の洗濯や湯洗いまでを想定するのか、
普段着の家庭洗濯、お洒落着やジャケットの商業クリーニング、コインランドリーなどでのタンブラー乾燥など、
どの程度の水洗いを想定するかによって選定する接着芯地も変わってきます。
接着芯地に使用されている接着剤には、いくつかの種類と形状がありますので、洗いの条件に適した接着剤を使用した芯地を選び、
事前の接着試験によって剥離強度や洗い後の耐久性を確認しておくことが大切です。
では接着試験について考察してみましょう。
一般的な試験項目としては、接着力、洗い後の耐久性、寸法変化、外観変化などを確認し、
洗いの条件はアイテムや用途、ケアラベルの内容によって変更します。
接着試験において使用に対する適正を判断する時は、剥離強度の大きさだけではなく、
保持率(洗い後にどれだけの接着力を保っているか)も確認しておくことが重要です。
水洗いアイテムの接着試験について、具体的な事例を見てみましょう。芯地A 剥離強度 初期(洗い前) 1100cN/inch 洗い後 550cN/inch ➡ 保持率50%
芯地B 剥離強度 初期(洗い前) 600cN/inch 洗い後 550cN/inch ➡ 保持率92%
芯地Aと芯地Bの試験結果を見てみると、洗い後の剥離強度はどちらも同じ数値ですが、
芯地Aの方が初期(洗い前)からの強度ダウンが大きい結果になっています。
洗い回数を増やした場合には、芯地Aは更に強度がダウンし、いずれ剥離などの問題を起こす可能性がありますので、
この場合に適しているのは「芯地B」といえます。
また一般的に剥離強度が大きい方が風合い感が硬く、小さい方が柔らかく感じますので、洗い前後での強度の差が大きいと
「洗濯したらクタクタになっちゃった!」といった事例が起きるかもしれません。
このように接着芯地を選定する場合は、初期(洗い前)の剥離強度の大きさだけで判断するのではなく、洗い後の耐久性も確認してから
選定することで、事故防止だけではなく、より完成度の高い製品つくりにつながります。
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2.商品のご案内 New Normal 2マイルウェアへの芯地提案 ~レディースアイテム編~
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