今回の特集では、東海サーモ主力商品である「芯地」について、説明します。
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■ 特集 「芯地とは」
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1.芯地とは?
芯地とは、洋服作りに必要な副資材の一つです。
出来上がった洋服の表面からは見ることはできませんが、洋服のシルエットづくりに必要な骨格形成する資材です。
芯地は表生地の共使いなど、形は様々ですが、その歴史は古く、洋服の歴史とともに発展してきました。
現在主流である接着芯地が生まれたのは1900年を過ぎてからといわれ
初期の接着芯地が開発されてからは服作りの効率化が大幅に進んだといわれています。
2.芯地の役割
洋服が出来上がる過程で、何故芯地が必要なのでしょうか?
その理由は大きく2つあります。
① 成形性、保型性の獲得
芯地はハリコシがあり、芯地を使用することで、洋服のシルエットを美しく形作ります。
また、着用や洗濯などを行っても、その形を美しく保つ性能があります。
② 可縫製性(縫製の効率化)
生地を安定させ、洋服を縫製しやすくし、美しく仕上げる性能があります。
3.衣料用芯地の種類
芯地は大きく分けると2つの種類があります。
接着しない芯地を「フラシ芯」、接着する芯地を「接着芯地」といいます。
A. フラシ芯
フラシ芯は、表生地に縫い合わされて使用される芯地で、毛芯地、シャツ芯等に分類されます。
(1)毛芯地
主に紳士服のスーツ、ジャケットの前身頃に使用されます。
肩パットや裄綿の材料としても使用されます。
(2)シャツ芯
ドレスシャツの衿、カフス、前立て等に使用されます。
B. 接着芯地
プレス機、アイロンなどの熱で表生地に接着する芯地で、紳士服、婦人服、ユニフォームなどで広く一般的に使用されています。
→接着芯地について詳しく知りたい方は下記の記事をご確認ください。
「接着芯地とは part1 ~基布~」
4.芯地の使用箇所
それでは、どこに芯地が使われているのか、スーツ、ジャケットを見本に見ていきましょう。
本来はジャケットの表面からみることはできませんが、副資材が見えるように仕立ててあります。
是非ご参考にしてください。
まずはメンズジャケットです。
毛芯は、フロント部分に加工芯(台芯、胸増芯、肩増芯)が、
接着芯地は、フロント(身頃)や見返し衿部分に使用されています。
続いてレディスジャケットです。
メンズジャケットとは違い、毛芯は肩部分の補強にのみ使用されるか、全く使用されない場合もあります。
バスト部分のシルエットが男女で違うことにより、保形性の必要な個所が異なってくるため、毛芯の使用に大きな違いが生じます。
接着芯地は、同様にフロント(身頃)や見返し衿部分に使用されています。
【関連記事はコチラ】
「芯地とは?」
「毛芯地とは?」
「接着芯地とは? part1~基布~」
「接着芯地とは? part2~接着剤~」